2023年11月4日(土)
二郎系ラーメン食い初めの日
二郎系ラーメンを体験しに行った。友人含め3人で列に加わったのだが、二郎系ラーメンに於いて3人はあまり歓迎されない構成らしい、先に2人組を案内する旨告げられて、もちろん大丈夫ですと過剰に寛容ぶって後ろの集団の先頭に回る。
並んでいる間に店員が麺の量を聞きに来るシステムで、私はしっかりと下調べをした上で堂々と「半分」をオーダー。友人はそもそも選択肢に何があるかを把握していなかったようで、その場で「よく分かってないけど何があるんですか……?」と尋ねていた。すごい。愛されて生きてきた人だ。私は口コミを読み漁りブログを読み漁り注文のシミュレーションを繰り返していたのだが、その場で店員に訊くという手段があることを知らなかった。人に頼るというスキルは重要だ。
店員が捌きやすい数の集団にまとめられ、集団単位で待合室のようなところに詰められ、注文のルールを示された貼り紙を熱心に読み、チーム名「3名様」がついに呼ばれて床をつるつると滑りながら着席、私は謙虚な初心者を演じるためだけに「そのままで」とコールし、あとはもう完食するまで降りることの叶わない食事を完遂、退席した。
塩辛かった。とにかく塩辛かった。アブラを感じたい。味の濃いものを食べたい。私の中に眠っていた欲望がいっせいに呼び覚まされ、満たされ、奇妙な満足感を得た一方で、美味しいとは感じていない自分にも気付いていた。3人とも「この中に一人でもめちゃくちゃ気に入った人がいたらどうしよう」という感じでおそるおそる感想を探り合い、みんな「体験としては良かったけどもう一度行きたいとはならない」というところに落ち着いた。次行くとしたら一人でこっそり行こう。
2023年11月5日(日)
顔がむっくむくにむくむ。塩分の摂りすぎだと思う。バナナを食べアボカドを食べ、排出の機運を高める。
同性ばかりが出てくるアニメをだらだら観た。
日曜日の夜はいつも苦しい。さっさと終わらせて翌週を迎えさえすれば、完食まで逃れられない二郎系ラーメン宜しくなんとか乗り切ることが出来ると分かっているのに、どうしても27時まで今週に踏みとどまってしまう。大変な業務をやっている訳ではない。人間関係もそれなりである。マイファースト職場に比べれば圧倒的に楽なのに、ほんとのほんとに行きたくなくて(涙)、ほんとのほんとに行きたくない(涙)(涙)(涙)。
他の人がどうであろうと自分の行きたくなさは変わらないが、「行きたくない」とか「辞めたい」とかいう絶望ワードでTwitter(現X)を検索するのをやめられない。かわいそう仲間を見つけて慰めとしている。ニチヨルの私のためにネガティブ検索を潤してくれてありがとう。
蚊。
2023年11月6日(月)
曇りで暑い。蒸し暑い。半袖で攻めたい気分を目立ちたくない気分が上回り長袖出勤。「ジャケット羽織るは10月から」と定められた社員の皆さんの中で、のっぺりと肌を晒す勇気がない。暦と紐付けた衣替えの時期はさっさと見直すべきだと思うが、心の中の大衆の部分がそれを許すまでに結構な時間が掛かりそうである。
バスが職場に近づくにつれて不安がむくむくと膨らんで胃を押しつぶす。てかてかした笑顔、甲高い声、隙間時間のゴルフの素振り、受け入れ難い偏見、横スクロール型Excel、怒気、怒気、怒気怒気、怒気怒気怒気怒気……。着いたら着いたで、みんな私より20分は前から着席して黙々と仕事をしているので、日本シリーズ盛り上がりまちたね、なんて、へらへら雑談する隙もなく、すごすごと着席。社全体の出勤状況を確認すると欠勤遅刻がいつもより多く、ちょっぴりホッとする。月曜欠勤よ社風となれ。
利発そうな子どもが美しい母親と手を繋いで歩いていた。跳ねるような足取りがさらさらと髪を左右に揺らす。輝かしい未来に祝福を捧げた。
11月を裏切る暑さに耐えかね、一人になったタイミングでこっそり冷房を付けたらすぐに偉い人が帰ってきて、「冷房入れてんの!?」とびっくりされた。丹田に力を込めて「はい!」と応えた。「今日暑いもんな!」と納得してくれた。適温に必要なものは虚勢。
夜、友人と会ってお茶を買って食事。友人の職場でも本日は欠勤が多かったとのことで嬉しかった。また満腹以上にご飯を食べてしまった。
あっさり系