おへそのおなか


チーズケーキと出会い厨

 最近、岡山を走っていたバニラトラックをまったく見なくなった。あの音が怖かったのでうれしい。

 岡山で怖いといえば、駅前でやたらチーズケーキを売ろうとしてくる人たちもそうだ。その人たちは大きい保冷ケースを手押し車のようなものに乗せて駅前を歩いては通りを行く人たちに声をかけてチーズケーキなどを売っていて、私もすれ違うたびにやたら親しげに話しかけられる。それはまあ、そういう商売なんだろうからいいんだけど、チーズケーキを売りたいだけのはずなのに「こんにちは、暑いですねえ」などと声をかけられるのがつらい。「自分チーズケーキ売りたいっす」とはじめから目的を明かしてくれた方が気持ちいい。私は曖昧にお辞儀をしながら通り過ぎてしまうんだけど、中にはうれしそうに話し込んでいる人の姿も見かけるので、ああいう営業が響く層がたしかに存在するんだろうな。

 ところで私は以前よく匿名チャットサイトで遊んでいたんだけど、話し相手にあたる人の中には、主にヤれる異性との出会いを目的として年齢・性別・居住・顔写真などの情報を求めてくるいわゆる「出会い厨」と呼ばれる人たちも少なくなかった。はじめから出会い厨であることを示してくれる場合はいい、厄介なのはある程度話してから出会い厨であることが判明するパターンだ。えーっ、ヤりたいだけなら最初から書いておいてよ、その方が効率的じゃん、ただでさえチャットサイトなんて効率が悪くて仕方ないでしょうにという気持ちになるんだけど、彼らの前戯はチャットからすでに始まっていたのかもしれない。

 そんな思い出もあって、関係ない話題で声をかけてくる若い兄ちゃんに出くわすと、いつかの仮面出会い厨のことを思い出してしまうのである。彼らは今もチャットサイトで前戯にいそしんでいるのだろうか。