カフェで並んでいた際、機械の不具合なのか前の人のカード決済がどうにもうまくいかず、店員が焦っている間にも私の後ろにもどんどん列が伸びていったが、列をなすそれぞれの人がまるでなにも待っていないかのような素振りで無理やり会話を捻り出したり、あくまで自然体を装ってメニューに目を通したりしていて、その時私たちは間違いなく一体となっていた。
また、夜にアパートに帰った際、ちょうど同じタイミングで帰ってきた他の住民と鉢合わせたので、私は念入りに郵便受けを探ることでタイミングを遅らせます、どうかあなたがお先に……というテレパシーを送った。住民は足早に中へと入り、半ば駆け上がるかのようにして、部屋へと戻っていくのであった。
私たちは、気まずさで分かち合っていた。