おへそのおなか


エッジの効いたボブスタイルの女は路線バスの降車ボタンを目的地ギリギリで押す

 そしてバスに乗ることがルーティーンと化したオレンジ色のパーカーを羽織った中年男性はひとつ前のバス停を通り過ぎるや否や降車ボタンを押し自分でボタンを押したかった私の心を踏みにじる。

 へえ……「ふみにじる」って「踏み躙る」なんてカッチョイイ漢字変換ができるんだ……。でも私のボブにはエッジが効いていないし、つつましい漢字変換に甘んじるとしよう……。

 もしもたったひとつだけ願いが叶うなら、駐輪場で自転車を前に詰めて停めない人間と、同じ上映時間の映画を観ることがない人生でありますように(そういう人間は上映中に小声なら大丈夫だろうと思っておしゃべりをするに決まっているから)。

おわり