おへそのおなか


死に記:オセロ楽しい、将棋も気になる編

 ここ1か月くらいオセロが楽しい。

 元々は「とりあえず隅をとってそこから攻めていけば勝てるのでは」程度の認識しかなかったんだけど、初心者向けの本を1冊読んだらがらりと考えが変わった。基本をおさえて一皮むけて第2形態になった感じがした。さらに強い第3形態になるにはもうちょっと詳しく勉強しないといけないんだろうな。

 練習すれば先が読めるようになるんだろうけど、自分はせいぜい2手先を読むくらいしかできないので、最初の5手目までは「定石」と言われる決まった手筋を覚えた。それを覚えると、これまで賢い人たちが考えに考え抜いためちゃくちゃいい手を初心者でも簡単に打つことができてしまう。なぜここに打つのだ、基本に基づくならここではないのでは、などと首を傾げながらも定石をなぞってみると、確かにその後の展開が楽になることが多い。あとは基本をなぞってぱちぱち打っているんだけど、中盤終盤の読みが甘いため、序盤有利に運んでもうっかりミスして大敗あるいは冷や汗勝ちというのがお約束だ。そもそもオンライン対戦だと相手の方が序盤の運びもうまいことが多くてよく負ける。

 定石を覚えると楽といった点では、将棋にも通ずるところはあるんだろう。多分。オセロに比べて選択肢が多く取っつきにくい印象があるけれど、有名な戦法には名前がつけられていて、これまでにも散々研究されているはずなので、そこをつまみ食いするだけでもかなり盤面の見え方が変わる……のかもしれない……。

 手筋がたくさんあって難しそうだというのに加え、将棋は駒の名称も覚えないといけないし、成った後(敵陣を攻めると一皮むけて駒がパワーアップすることを「成る」と言うっぽい)またその名称が変わるのでそれも覚えないといけないしで、オセロに比べるとそういった勉強コストの初期投資がとても大きい気がする。「飛車」「角行」という駒が成るとそれぞれ「龍王」「龍馬」になるんですってよ、いや、めちゃくちゃ混同させにかかってるじゃん。ルールもオセロほどシンプルではないし。

 それでも親切な初心者向けの本もたくさんあるし、無料アプリでも駒の動かし方から教えてくれる初心者向けのがあったので、それをインストールしてふむふむと思って眺めながらこんなツイートをした。

 するとこのツイートに「詰め将棋を詰将棋に訂正する委員会」というアカウントからいいねがきた。びっくりした。そんな委員会があるんだ。通知を受け取った瞬間、心のギャルが呟いた。「は? ウザ」

 しかし私だって年齢的には成熟した大人だ。思慮浅いギャルは、心に留まっている内にねじ伏せなくてはならない。

「いやいや、知るきっかけを与えていただいたことに感謝し、謙虚に受け止めようよ」

 ギャルに説得を試みるなかなか頷いてはくれない。

「初心者のウチがこれから将棋やってみようつってんのにそんな揚げ足取りみたいな指摘をいいねで伝えられてもって感じじゃん。ばりウザ」

「君の心が汚れているからそんな捻くれたとらえ方をしてしまうだけだよ。素直になりなよ」

「は、マジでウザいんですけど、つーかそもそも自分の性格が悪いのを『心のギャル』とかいうクソつまんない別人格創り出して責任押し付けて分別ある大人ぶってるお前が一番ダルいよ、不平不満言いたいなら一人称で語れよ、お前のしょーもない保身のために生まれたウチという存在なんなん、綺麗事並べてできた人間の振りかよ、お前がこの世で一番卑しいよ、それはお前を知る全員にバレてるよ、そんなんだから何もかもが中途半端なんだよ、さっさと死ねよ」
💬42 ♻️1.2万 ❤️3.8万

 私は死んだ。