おへそのおなか


引き続きハイエナの威を借るブログ

 ものすごく大切な紙をなくした。自立支援医療の受給者証、つまり、精神疾患にかかる治療費が1割負担で済むという魔法の紙である。

 何を隠そう、私の部屋は、とにかく、大いに、荒れている。通院後いつも、大荒れの部屋にその大切な紙をぽいっとほっぽり出して、次の通院日が近付いてくるとがさがさと掘り出して、というのをいつも繰り返している。どうしてそんな愚かなことをするのだと健やかなる各位には眉をひそめられるだろうが、質量保存の法則が有効とされるこの地球上の、いくら荒れているとは言えど、たかだか8畳のワンルームだ。何をほっぽり出そうが決して消えるはずはない、ということで、私は安心して何でもかんでもほっぽり出しちゃうのである。年金手帳も、マイナンバー通知書も、しばらく姿を見ていないけれど、きっとどこかその辺の紙類の中でじっとしているはずなのだ。多分ね。でも、高い金を出して買ったヘッドホンと、イヤホンと、3枚の衣服と、2冊の新書は綺麗さっぱり姿を消しました。本当にどこ行ったの?

 そんなこんなで、病院受診を翌日に控えているというのに魔法の紙が見つからないので、朝から必死になって、部屋のゴミ山最下層を支えている物体を引きずり出し、久しぶりに日の目を見たそいつにまた、次に引きずり出した最下層をかぶせ、久しぶりに日の目を見たそいつにまた、の繰り返しで、いつまで経ってもかさの変わらぬゴミの山、荒らせども荒らせども魔法の紙は現れず、もしかすると前に出した可燃ゴミに混入したかしらと絶望に打ちひしがれて、その不安を紛らわすようにTwitterを開くと、ハイエナズクラブ自由研究2018結果発表の知らせがあった。

 もろもろの説明は割愛いたしますが、実は、こちらの自由研究、私もこっそり応募をしていたのです。もしかすると何かの賞に選ばれているかもしれない、何せ私、ハイエナズクラブの方々からはてなスターをもらったことがありますから……。ドキドキしながら画面を薄目でぼやかしつつちまちまと勿体ぶってスクロールしていき、AV男優小田切ジュンさん探しに特化したという何とも惹かれるブログに飛ぶのも我慢してさらに読み進めると、なんと、なんと、なんと!



 私のブログが、赤祖父賞に選ばれていたのである!



 ウワーッ! ウワーッ! ウワーッ! 興奮でドワッと吹き出す汗を、夏ぶりに取り出したギャッツビー冷感クール(こういう物に限っては割合すぐに出てくる我が居城)で拭き取り、全身をぞわわと震わせながら、いただいたコメントに目を通す。

今回の賞で私が重視したテーマは伸びしろ、つまり「地力はあるけどまだネットに見つかってない人を見つけたい」だったので、その観点でマイベストと選出させていただきました。
(赤祖父さんのコメントより引用)

 よかった。伸びしろを伸ばさないまま27歳になって、本当によかった。心からそう思えた。私、まだ見つかってないけど、地力と伸びしろがあるんだ。ふふ、地力と、伸びしろがあるっていうのに、自立支援医療の受給者証をなくしたくらいで焦っちゃった。受給者証が何だ、年金手帳が何だ、マイナンバー通知書が何だって言うんだ。こっちには地力と伸びしろがあるんだぞ。

 途端にほがらかな気持ちになった私は、一向に畳まれぬ洗濯物に侵されて狭くなったベッドの上に、iPhoneを握りしめたまま縮こまって寝転がるのであった。



 最後になってしまいましたが、お忙しい中全てのブログの全ての記事に目を通し、審査をしてくださった審査員のみなさん(すごすぎる)、本当にありがとうございます。ハイエナズクラブ大好きです! キープ・オン・ブラウジング!!!



おまけ

「なんて書きますか?」
「あ、あかそふしょうおめでとう……」
「すみませんもう一度」
「あかそふしょうおめでとう、で……」
「メッセージこちらの紙に書いてもらっていいですか? 大きく書いてね」(人はしばしば「こいつショボいな」と思うと急にタメ口を利くものである)
「あっ、はい」



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