おへそのおなか


2019年1月10日 サトダさんの思い出

5:00 寝る。
8:30 起きる。
10:30 餅を2つ焼く。何もつけずに食べる。口内炎が増えていることに気付く。

10:45 日記を書き始める。

 そういえば昨日は西暦は間違えなかったんだけど日付を間違えていた。今日はしっかり確認した上で入力する。小学生の頃仲が良かったサトダさんの誕生日だ。

 小学6年生の頃、日直は教室の前で1分間スピーチをする時間があったんだけど、自分はそこでサトダさんを含む友達3人と映画を観に行ったことを発表した。習慣で湧く拍手を遮って肉に眼鏡をめり込ませている担任が「保護者はいたんでしょうね」と嫌味を放つ。そいつは私のことが嫌いだったのだ。「いました」とだけ応えて席に着いたが、納得していない様子だった。

 サトダさんは校内に姉が2人いた上に、見た目が華やかだったという理由で、低学年の頃から一目置かれていた。私にも兄弟はいたものの、いかんせん華やかでなかったので、サトダさんの機嫌を損ねまいと日々を過ごすのがやっとだった。6年生になる頃には、体育館の更衣室でサトダさんによる「嫌いな奴番付」なるものが発表されるのを、なぜかみんなで聞いていた。私はトロいという理由でよくランクインしたが、バレンタインデーにはなぜかめちゃくちゃでかくて不味いチョコレートを私にだけくれた。怖かった。

 高校でサトダさんとは離れ、大学生になる頃には全く会わなくなったが、人伝に、地元で男からちやほやされているらしいという噂を聞かされた。事実に悪意を塗り重ねたようなべたついた噂だった。噂の中でサトダさんは嘲るために付けられた「姫」というあだ名で呼ばれた。

 少しもしない内に地元の知り合いにも会わなくなって、声がかかることもなくなって、サトダさんともすっかり疎遠になっていったんだけど、LINEの表示名及びタイムラインでサトダさんが結婚して子を産んでいることを知った。第二子らしい。聞いたことのない苗字に変わったサトダさんのLINEアイコンは、目元が彼女によく似た赤子の写真になっていた。

11:00 サトダさんの思い出を書き終える。出かけようかと思うがだらけている。
11:52 だらけている。ふと、今日を過ごすのと同じペースで死んでいくような気持ちがする。外で誰かが叫んでいる。
12:04 お腹がゴーッと鳴る。意味がない。
12:10 子どもの頃、牛が好きで、耳の仕掛けを触るとンモォと鳴く大きなぬいぐるみを買ってもらって喜んだことを思い出す。今でも好きなんだけど親戚の人にも「牛が好きだったよねえ」と故人を偲ぶように言われるのでそれしか特徴がなかったのかもしれないな。
13:28 お腹がゴーッと鳴る。
16:30 いつの間にか寝ていて起きた。夢を見た。
17:45 お腹がゴーッと鳴る。オールブランにヨーグルトをかけて食べる。前回はセブンプレミアムのプレーンヨーグルトを買ったら苦手な食感だったので、明治ブルガリアヨーグルトにしたらものすごくおいしい。ヨーグルトだけおかわりをした。1パックほとんど食べてしまった。
18:10 入浴。

思い出すこと

・高校生の時、登下校中も球技大会の間もずっと参考書に目を通している子がいた。成績は優秀だったはずだが教師にかわいがられている風はなく、むしろ公民の教師を捕まえてわざわざ授業中に彼の方が知識が上回っていることを誇示し教室をざわつかせたらしいという噂が、私のクラスにまで伝わってきた。高校在学中は一度も話すことがなかった。彼は結局第一志望には合格しなかったものの素晴らしい大学に入った。学生の頃、たまたま彼に会う機会があって、高校時代の印象を伝えると他人事のように笑っていた。今でも時々彼のことを思い出す。思うに、彼は時々高校時代のことを振り返って叫びながら床を転げ回っているんじゃないかしら。

思い出すことおわり

 今日の日記はここまで。これからどこかに出かけてみる。