ある日
社交的であるぞと決めて新しい環境に飛び込み、なんとなく成功したものの、2日目にして保てなくなり、昼休憩に一人こそこそ抜け出して川を眺めた。気のいい人ばかりなのに、何やってんだろう。無駄な張り切りに任せて、変な方向に走ってしまった。何やってんだろう。
ある日
合コン合コン面接就職雇用保険東証プライム福利決算出産運動会合コン彼氏あは、あは、あは、無職・だめ無職・だめ無職・だめ怠惰、もてない女もてたい男もてない女もてたい男もてない女、あは、あは、あは、苦笑い苦笑い苦笑い苦笑い。
ある日
暑がりは嫌だ。自分の平熱が高いのも気持ち悪くて嫌だ。かわいい死体になりたい。生きるとか死ぬとか死ねとか殺せとか、生死に関わること言わなくするためにいろんなことがんばりたいと思ってたけど、難しい。まあ、それでも、なんとなく生きがいとか楽しいこと、好きなもの見つかるといいな。
友人と飲酒を伴う食事をした。生きがいが欲しいな、と愚痴のようにこぼしたら、「その方がみんなもうれしいでしょうしね」と言っていた。
おれは、おれを気にかけてくれる人たちに対して、おれを人質にとって情けを買うような真似は、本当にもうしたくないんだ、そんなんで繋ぎ止めるのは情けないしおもしろくないし、人に会うたび自分がくだらない人間だとツーカンしてどんどこどんどこつらくなるんだ、希望を持たず一人で生きるのは、ものすごく楽しい、さみしい。友達って希望ってとても重い。
ある日
朝から動悸がする。それなりの早寝早起きもできている、周りの人とも適当なコミュニケーションがとれている、久しぶりの勉強は楽しい、なのに何が気に入らないんだ、この心身は。山に？、山に行きたいのか？
ある日
こんな生き物は嫌だ！ こんな生き物は嫌だ！ こんな生き物は……。こんな生き物は嫌だ！ おれはいつもいつまでも自分のことばかり考えている。こんな大人になってしまった。自分のことが好きで好きでたまらない臆病者だ。自分には情熱と勇気と忍耐がないからいけないんだ。だめならだめで、情熱さえ勇気さえ忍耐さえあればよかったんだ。希望なんてまだいらない、最初に、希望を持つための勇気が欲しい。
海が見たい？
